SSブログ

ハカセ達のハテナな世界(STAP細胞の件について思うこと) [時事]

私は、エンジニアである、いやエンジニアであった。
過去形にしたのは、いまは英語でいうプリンシパル、つまり上席とか首席とかが
頭について窓際族となって技術動向とか方向性などに携わりもう実務をしていない
からである。

それとは関係なく、私の経験からハカセ達のハテナな世界をご紹介しよう。

この話は、その昔、あるエネルギー企業系の民間研究所の主任研究員をしていた経験
にもとづいている。

 その研究所は、化学、物性関連の研究員がほとんどを占めていた。
上位の研究員の指示に基づいて動く末端の研究員も含めて、全研究員の約7割が、
ハカセ、つまり博士の学位所有者であった。

主任研究員レベルの仕事は、自分の持っている研究ネタに基づいて、研究企画を立案
し、それを名だたる大企業に「こんな画期的な研究はいかがですか?」と自己の人脈
やコネクションを通して売り込みに行くのである。
要するに「受託研究」の契約を取るのだ。

受託研究=売り上げ→年俸 に直結する世界である。
大企業の研究所などを相手に、金をもらって受託研究をするのである。
主任研究員で売り上げ目安が年間3千万が下限である。
売り上げが上がらなければ、年俸が落とされるというシビアな世界だ。

 ある企画で、誰でも知っているような大手事務機メーカーA社から受託をとった。
このメーカーは、ある商品について競合に遅れをとっており、その心臓部の要素技術
を全く新しい手法で開発し競合との遅れを挽回しようというものだ。

あるハカセ研究員の提案するS法という物理化学的手法を中心にして巨大なプロジェ
クト提案がなされた。S法により素材を生成して模擬ユニットを試験し、製品に近い
システムまで作り上げようという大それた提案である。

競合に遅れをとるA社はこれに食いついた。
提案書には、役員を含むハカセ達が名を連ね、タスクフォースを組み、夢のようなシ
ナリオが描かれ、金額は約10億にふくれあがった。

しかし実際には、S法で素材を生成し機能を満たすことはできないのである。
プロジェクトに組み込まれたあるハカセは、小石をこんにゃくで包んで石垣にするよ
うな手法で、所望の動特性が得られるわけがないと言い切って
「こんなイカサマ連中を相手にできない」 と辞めてしまった。
しかし、役員を含むその他のハカセ達は、まんまとA社を”だまし”て、10億なに
がしかの金を取ったのである。

化学屋であるハカセは、「理論的」機能材料が「できた」といい、私に駆動を依頼す
るのであるが、入出力の静特性すらとっていないのだ。
動くわけがない。
理論のみに依拠して、工学的手法による評価ができないのだ。
結局、プロジェクトの全員が雁首をそろえてクライアントの取締役会で
「うまくいきませんんでした」 という説明をするに至った。

しかし請負契約ではない「受託研究契約」なので、失敗しても
「これは研究ですからうまくいきませんでしたあ、すいませんねえ」 で終わりなのだ。
本件の委託を決めたA社の役員は辞任したと聞いている。

 別の企画では、あるハカセが新手法による薄膜形成で新型半導体開発の研究を提案した。
大手電機メーカー、半導体各社がしのぎを削っているワイドギャップ半導体の世界で、
もし可能ならば画期的かもしれないが、専門メーカーでもない研究所の手持ちの装置と
ハカセの思いつきのアイデアで、そうそうたる装置と実績を誇る大企業に太刀打ちできる
わけがない。

しかし、ハカセはそれをでっち上げるのである。
私は、先の例と同様に、完成したデバイスをシステムとして動かす立場にあったが、
このデバイスは 「生もの」 で、駆動している間に欠陥が成長して破壊に至るのだ。
それでもハカセ達は自分たちの考えによる結果が間違っていないと宣い、
「駆動方法がおかしいのではないか」 という。

このプロジェクトのクライアントは、国プロを巻き込んでいたため、出ない結果に
対して大きな問題となったが、当のハカセは、さっさと専門企業に転職してしまった。
結果は出せなくとも自分を売り込むのことには長けているのである。

ほかにももっと例があるが、差し障りがあるのでこのぐらいにする。

ハカセ達の特徴をまとめると以下のようになる。

- できないことでも平気でできるという。
- 失敗しても厚顔無恥である。
- 工学的アプローチができないが、工学的アプローチを見下す。
- 金集めがうまい。

ノーベル賞学者がトップに立つ理化学研究所は、おそらくこのようなイカサマハカセ達
とは違うと信じたいが、そうそうたる博士達によって外部発表の論文チェックが十分に
行われなかったとは信じがたい。O博士が「未熟な研究者」であった、と片付けられて
しまうことに腑に落ちないものを感じる。
御茶ノ水博士.jpg
nice!(0) 

nice! 0

佐村河内問題集団的自衛権容認?! ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。